INTERVIEW

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お客様に聞いてみた!

Vol.2

あべのハルカス33階の
オフィス増床プロジェクトで
社の勢いと創造性を表現!

  • お客様/小村直克(株式会社NEXT STAGE 代表取締役社長)、広森洋子(株式会社NEXT STAGE 取締役)
  • ディレクター/越智ゆみ(株式会社KATATI)
  • 設計士/小栗高志(OGURI DESIGN OFFICE.)
  • オフィスフロア増床プロジェクト
  • ●クライアント名/株式会社NEXT STAGE(https://nextstage-group.com/
    ※2025年5月に東京証券取引所のTOKYO PRO Market市場に新規上場
  • ●クライアント業種/住宅製造プロセスを分析し、適正な評価・改善へつなげる住宅施工品質向上ソリューションの開発
  • ●リノベーション内容/オフィス増床
  • ●所在地/大阪市阿倍野区
  • ●入居するオフィスビル/あべのハルカス
    ※高さ300mを誇る大阪・阿倍野区の超高層複合ビル
  • ●改装範囲/増床部分の内装
  • ●面積/362㎡
  • ●株式会社KATATIの担当/コンセプトメイキング/ブランディングデザイン/進行管理、ディレクション/内装デザイン・設計/サインデザイン/イラスト制作

働く場所とリラックスする場所が混在
「静」と「動」に満ちたオフィス

今回のクライアントは、住宅建築・施工管理における「品質の可視化」を実現するITサービスを展開する企業です。大阪・天王寺のあべのハルカスの33階にオフィスを構えて右肩上がりの成長を続けていたなか、同フロアの隣に入居していた企業が退去したため、空いたスペースを借りて増床することになりました。

KATATIが内装デザインを担当したのは、オフィスの総面積735㎡のうち増床部分372㎡の内装。既存部分に増床部分をなじませつつ、オフィス全体に新たな息を吹き込むという難易度の高いプロジェクトにどのように向き合ったのか、施主の小村直克さんと広森洋子さん、KATATIの越智ゆみ、設計士の小栗高志さんの4名が振り返ります。

左上/NEXT STAGE代表の小村直克さん、右上/設計士の小栗高志さん、左下/NEXT STAGE取締役の広森洋子さん、右下/KATATIの越智ゆみ

1日8時間を過ごす場だからこそ
心地良い環境を提供したい

越智

まずは御社の事業内容をご紹介いただいてよろしいでしょうか。

小村

ひとことで言うと、住宅産業における製造ソリューション事業を展開しています。住宅は、住まい手にとって一生に一度と言われる大きな買い物であるにもかかわらず、施工品質やコストが見えづらいために、クレームが起こりやすいという課題があります。そこで、われわれは「つくり手と住まい手の品質の架け橋となる」をスローガンに、住宅の建築・施工管理における「品質の可視化」を実現するITサービスを開発してきました。

 

越智

著しい事業成長によって従業員の方々が急増したとうかがっています。それで手狭になっていたオフィスの増床を計画されて、増床部の内装デザインを提案してくれませんかとKATATIにお声がけくださいました。

初めてお打ち合わせさせていただいたとき、小村さんと広森さんがオフィスの内装デザインに並々ならぬこだわりを持っておられることに驚いたのですが、それにはどんな理由があるのでしょうか。

小村

従業員が夢中で仕事に打ち込める環境を用意したいからです。私はこれまでの自分の社会人としての経験から、「夢中」は「努力」に勝ると考えており、弊社ウェブサイトの採用ページにも「シゴトは夢中になったもの勝ち!」というスローガンを掲げています。その「夢中」になれるステージを、弊社で経験してほしい。

とりわけ昨今は、あらゆる業種の企業が人材確保に苦戦し、採用がうまくいかずに潰れてしまう会社も増えています。そうしたなか、若い人たちが魅力を感じてくれる職場環境づくりの重要性がさらに増していると考えています。

広森

多くの従業員にとって、オフィスは1日24時間のうち1/3以上の時間を過ごす場所です。その8時間を快適に過ごせるかどうかは非常に大事で、日々の8時間の積み重ねが従業員の人間形成にも大きな影響を与えると思うんですね。

そう考えたとき、ただ広い空間があって、そこに机や椅子が並んでいるだけの無機質なオフィスは、ちょっと違うんじゃないか。それがわれわれの価値観なので、オフィスの内装デザインにこだわるのは、弊社にとって自然なことなんです。

 

内装デザインの肝は
エントランスとコワーキングスペース

越智

今回はオフィスの増床ということで、既存のオフィス373㎡に加えて、新たに362㎡のスペースを設ける──具体的には社長室と大小複数の会議室は必ずほしいというオーダーをいただきました。

既存オフィスと隣にあったオフィスを仕切っていた壁を壊して、ひとつの空間にするわけですから、全体的な内装デザインは既存部分のテイストとうまくなじまさなければならない。けれども、予定調和のデザインにはしたくない。最初にNEXT STAGEさんからお声がけいただいたとき、設計士の小栗さんとそんなことを話していたんです。

 

改装前の執務スペースはデスクの配置がランダムで、電源タップや有線LANの配線などが煩雑になっていた

執務室は主にレイアウトをリプランニング。各部署が連携しやすいようにデスクの配置を見直し、フリーアドレスも追加。さらにLANなどの配線もデスクの脚に収納するなど、すっきり見えるように整理した

小栗

良い意味で期待を裏切りたいという気持ちはありましたよね。現場見学で既存のオフィスを拝見し、とてもきれいでかっこいいオフィスだと感心した一方で、上昇気流に乗っている企業様のオフィスとしては少し物足りない気もしました。増床部分では、会社の勢いや創造性を表現できればと。

 

越智

私たちが内装デザインをご提案する際、いつもデザインの“肝”となる部分をご用意するんです。今回の場合、その1つがエントランスホールでした。

小栗

エントランスは会社の“顔”であり、オフィスへの導入部分でもありますからね。日々ここを通って出社する従業員の方々だけでなく、会社を訪問するお客さまのモチベーションも上がるような、劇的な空間にしたかったんです。

 

黒を基調にしたエントランスホール。腰壁部分にパンチングメタルをあしらって金属の素材感を加え、コーポレートカラーでもあるオレンジ色の文字や間接照明をところどころに差し込んだ

越智

小栗さんは車のフロントグリルをイメージしてエントランスをデザインしてくれたんですよね?

小栗

そうですね。エントランスがまさに会社の勢いや創造性を表現した部分です。もう1つ、エントランスのほかにデザインの肝にしたのは、コワーキングスペースですよね。これは越智さんのアイデアでした。

 

円形の空間に沿うように、ブース席やテーブル席が並ぶ

ブース席の仕切りには消音パネルを使用

越智

初めて現場見学をさせていただいたときに、オフィスがものすごく整然としていること、そして活気があふれていることに驚いたんです。みなさんイキイキとお仕事されていて、夕方になるにつれ動きが鈍るのではなく、むしろ活発になっていくようでした。

そんな光景を見ているうちに、従業員の方々が自分のデスクで仕事しているだけでなく、それぞれ思い思いのスタイルで働けるコワーキングのようなスペースがあってもいいのではないかと感じたんですね。

コワーキングスペースには仕事に集中したい人やZoomで商談したい人のためのブース席もあれば、1on1をしたり食事をする人のためのテーブル席もある。たとえばスタバって、仕事をしてる人の隣で勉強してる人がいたり、おしゃべりしてる人がいたり、本を読んでいる人がいたりするじゃないですか。ああいう空間をイメージしました。

 

小栗

しかも、円形の空間という。

越智

じつは以前、とある商業施設で見た円形のカフェが印象に残っていたんです。あの感じでオフィスにコワーキングスペースをつくったらおもしろいんじゃないか……。そうは思いつつ、オフィスの真ん中に円形のコワーキングスペースがあるなんて、いわゆるオフィスデザインとしては一般的ではありません。

私たちにお声がけいただいたからには、クライアントの想像を超えるものを提案したいという使命感はありましたが、私たちの価値観を押し付けるようなことはしたくない。それはいつも小栗さんとも話していることです。あれこれ議論した結果、円形のコワーキングスペースを軸にしたデザインと、もう少し控えめなデザインの2案をご提案しました。