INTERVIEW

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お客様に聞いてみた!

Vol.1

社屋は“家”で、社員は“家族”

社内外から人が集まる
「リビング」のあるオフィス

オリジナリティとデザイン性のある
オフィスをつくる意義

越智

いまのお話って興味深くて、社会主義的なデザインとか、昭和の応接室というのは、いわば松井さん独自の視点ですよね。会社というある種パブリックな空間に、社長ご自身の視点をどこまで反映させるのか。そのあたりはどうお考えでした?

松井

自分の視点だけで事が運ぶのを防ぐために、ワーキンググループをつくったところがあるんです。とはいえ、どんなデザインでも良いとは思わない。うちの会社のことを知らない人が考えた空間では何の意味もないですよね。会社のカラーはしっかり反映させつつ、自分の主観に走りすぎないという、そこのバランスはコントロールしたつもりです。

越智

どこかの知らない誰かが提案したデザインではなく、だからといって自分ひとりで考えるわけでもなく、あくまでも“自分たち”で考えたデザインにこだわったわけですね。

 

フロアの階数を示すサイン。最上階の5階(屋上)だから「のぼりきったね」とねぎらいの言葉をあしらうなど、コンピューター技研さんらしいお茶目な仕掛けがそこかしこに。

松井

そうですね。オフィスの内装にかぎらず、仕事のあらゆる面において「自分たちで考えること」ってめちゃくちゃ大事だと思うんです。たとえば、あるプロジェクトがはじまろうとしているときに、前例に倣おうとか、成功している他社の真似をしようとする企業もあると思うんですが、それって要するに思考停止ですよね。思考停止に陥った会社に成長する余地なんてないですよ。
それをわかっていたとしても、「自分たちのことは自分たちで考えよう」という意識がゆるんだ途端、思考停止に陥ってしまう危険があります。さっきオフィスのデザインについて「いまの流行りっぽくない」ものを希望したと言いましたが、それは流行りのデザインを否定しているのではなく、自分たちでゼロから考えたいという意識の表れなんです。

 

松井

自分たちでゼロから考えたオフィスであれば、人からネガティブな評価をされても納得できると思います。でも、自分たちとは違う何かに乗っかって完成したオフィスが不評だと、自己決定すれば良かったという意識に苛まれる気がして。

越智

そんな御社のオフィス移転プロジェクトをお手伝いできたのは、私たちとしてもとても光栄なことでした。内装デザインにこだわりたいという思いは、弊社に依頼いただく前からあったのでしょうか?

松井

デザイン性の高いオフィスにしたこと自体、さっき言った「ゼロから自分たちで考える」につながると思っていて。極端な話、必要なスペースに机と椅子、PCがあれば仕事はできるし、それだけでオフィスとして機能しますよね。でも、それだとうちの会社らしくないよね、というところからスタートしたプロジェクトなので。

 

結果的に、新オフィスは自分たちがどんなスタンスで、どんな仕事をしているのかを体現する空間になったと思っています。

小栗

このオフィスを見てもらえれば、社風はなんとなく伝わりますよね。

 

松井

社内外に向けたメッセージになりますよね。自社を表現するうえで、オフィスって重要なんです。うちの場合、意匠的なデザインというよりも、全体のグランドデザインにこだわりたいという思いは最初からありました。

越智

オフィスに意味を込めるという。

松井

そんな感じですね。

 

自社を体現するオフィスは
営業ツールとしても機能する

越智

新オフィスが昨年末に竣工して、約半年が過ぎました。使い心地はいかがですか?

 

3階の執務室。松井社長、会長、経理担当の方のデスクを置いています。

松井

僕はいつも3階の執務室で作業してるんですけど、めちゃくちゃ集中できます。たまに目の前の仕事に没入しすぎてミーティングをすっぽかしそうになるくらい(笑)。社内にいるときは18時くらいまで集中して、それから2階に下りていって。誰かが飲んでいたらそこに加わったり。

越智

2階は採用活動にも活用してくださっているそうですね。

 

2階の「リビングダイニング」。キッチンや作業テーブル、ソファ席、掘りごたつ席など、社員さんがそれぞれの状況に応じて好きな場所で過ごせるほか、お客様を迎え入れるスペースとしても機能します。

松井

新オフィスに移ってから人を招きやすくなりました。オフィス見学ツアーという名目で学生さんたちに遊びに来てもらって、2階のテーブルやソファで飲みながら会社のことを説明すれば、楽しみながら会社に対する理解を深めてもらえる。
だから移転してからは採用方法も少し変わったんですよ。何度も会社に遊びに来て“人となり”がわかっているからと、書類選考や最初に面接を飛ばしていきなり最終面接に進む子がいたり。前に3日連続で遊びに来た子がいて、3日目に内定を出したこともあります(笑)。

小栗

学生さんが社長と飲むんですか?

 

松井

その子の場合はそうでしたね。

越智

そういうことをするようになったのは、オフィスを移転してからだと。

松井

以前のオフィスはシンプルなオフィス空間だったので、イベントがあるときでないと人を呼べないんですよ。新しいオフィスは見るだけで楽しんでもらえるので、本当に人を呼びやすくなりました。

越智

移転してからイベントも実施したんですよね。4階の舞台で漫才イベントを開いたと社員さんにうかがいました。

 

4階には、なんと舞台を設置! 実際にここで漫才イベントを実施したところ、演者=社員さんからも、お客さんからも大好評だったそうです。

松井

そう、うちの会社は“漫才”が営業ツールになっているので、定期的にイベントを開くんです。だから4階に大きな舞台をつくってもらったんですけど、大成功でしたね。あの舞台はめちゃくちゃ価値があると思います。
移転前も会社でイベントを開くことはありましたが、さっきの話と同じで、人を気軽に誘えないんですよ。近しい人なら「遊びに来て」と言えるけども、それほど関係性の深くない取引先だと「わざわざ来てもらうのは申し訳ないな……」となってしまう。いまは「とりあえず来てください」と言える武器が手に入ったので、声をかけられる範囲がぐんと広がりました。
それこそ昨年末に開いたクリスマスの漫才ライブには、取引先の重鎮の方々にも来ていただいて。イベントで出会った人と新しいつながりが生まれたり、社外の人たちにイベントでここを使いたいと言ってもらえたり……と、オフィス自体が営業ツールになったような感覚がありますね。

越智

外部の人が「ここを使いたい」と言ってくださっているんですか。私たちもそこまでは想定していなかったです。

小栗

空間がひとり歩きしはじめたというか、従来の「オフィス」のカテゴリーに属さなくなってきていますね。

松井

ハブとして機能する兆しがあります。

越智

そう言っていただけるとうれしいです。

松井

ただ、うちの社員は思っていたより新オフィスを使っていないんですよ。みんな引き続き在宅勤務をつづけたり、クライアントのところに出向したりで。だから自分たちがここをうまく使えるような企画を考える必要があるなと思いつつ、一方で、社員が一堂に会する機会は確実に増えていて。
たとえば昨年の忘年会は社員を複数のグループに分けて開催したんです。グループごとに会社近くの別の店で食事したんですけど、一次会が終わったあと、みんな自然とオフィスに戻ってきて、そのまま2階で二次会になりました。

小栗

まさに家ですね。

松井

ここで朝まで飲んでた子もいますね。

越智

良いエピソードです。

松井

いや、ここでくつろげてしまうといつまでも自宅に帰れないんで、プラスでもありマイナスポイントでもあるんだけど…(笑)。たしかに“家”感はめっちゃありますね。僕は出張に出ることが多いんですけど、何日もオフィスに出社できないと不安になるんですよ。「留守にしてるけど大丈夫かな」と。それは以前のオフィスではなかったことです。

小栗

家を空けてしまって心配しているお父さんのような(笑)。

 

松井

そう、それです。日々、愛着が増しているのを感じているところです。