COLUMN

オフィスデザインを始める前に決めること 「コンセプト設定」という最初の仕事

オフィスのリノベーションを検討しはじめた時、多くの方がまず「どんなデザインにしようか」と考えるのではないかと思います。

素敵な内装の写真を見て、「こういう雰囲気がいいな」とイメージを膨らませる。とてもワクワクする楽しい時間ですよね。

ただ、私たちKATATIが一番最初に向き合うのは、デザインの前の話。「この会社にとって、このオフィスはどんな意味を持つべきか」というコンセプトの設定です。

今回は、私たちがどういう視点でオフィスデザインのコンセプトを設定しているかをお話します。

 

Section 01 ― 「空間のコンセプト」と「企業のコンセプト」

設計士さんや建築士さんが立てるコンセプトというのは、一般的には「空間のコンセプト」であることが多いと思います。「こういう空間にしよう」「こういう建物にしよう」という、空間や建物そのものに対してテーマを置いていく、というやり方です。

それは空間設計のプロの視点です。が、私たちが掲げているのは「企業ブランディングを目的としたオフィスデザイン」です。もともと私たちは、ウェブサイトや印刷物、プロモーションのデザインなど、空間だけでなく企業のブランディングをトータルで手がけてきた会社です。なので、設計士さんや建築士さんとはコンセプト設計の出発点が違います。

私たちが立てるコンセプトは、「この会社が社会にどう見られたいか」「どんな人に来てほしいか」「業界の中でどういう立ち位置を取るか」というところから始まります。空間のデザインは、そのコンセプトを表現するための手段、というイメージです。

 

Section 02 ― 三つの視点からコンセプトを考える

私たちがコンセプトを作る上で、特に重要だと考えているポイントが三つあります。

①  社会性(地域性を含む) その会社が社会的にどういうポジションにいるか、また今後どういうポジションを取っていきたいかという視点。地域に根ざしている会社であれば、地域の方々との関係性も含めて考えます。

②  業界性 その会社が属している業界のイメージや商慣習、そして「業界の中でどう差別化するか」という視点。業界の常識をそのまま踏襲するのか、逆を取るのか、などその会社にとって何が最適かを考えます。

③  人材の採用 ほぼすべての企業にとって、人材の採用は大きな課題ではないかと思います。会社が望む人材を具体的にイメージしながら考えます。

この三つの視点をもとに、お客様の要望を伺い、最適と思えるコンセプトを設定していきます。

 

Section 03 ― コンセプトが空間に変わるとき

コンセプトを立てる際は、ヒアリングやアンケートはもちろん、採用情報や社員の文化・社風がわかる資料なども参考にしながら、三つの視点から空間へ落とし込んでいきます。

過去にIT企業のオフィスをお手伝いした時のことです・・ 一般的なIT業界のオフィスというと、フリーアドレスで、パソコンがずらりと並んでいて、白くてスッキリとした清潔感のある空間、というイメージがあると思います。効率重視で、動線もきっちりと設計されている。まあ、ある種の「正解」のようなイメージです・・

でも、ヒアリングの中で私たちが提案したのは逆の発想でした。アットホームな空間、つまり「オフィスを家のように考えましょう」というコンセプトです。キッチンを置いたり、くつろげるリビングのような部屋を作ったり・・ エンジニアの方が多い会社さんだったので、「集中したい時は集中できる、でも人を感じられる空間」というバランスをすごく意識して設計しました。
全てリモートで完結するなら家でやればいい話なので、「わざわざ出社したくなる」理由を空間で作りたかったからです。

もう一つ、製造業の会社さんの事例もあります。工場とオフィスが一体になっているような会社さんで、どうしても「きつい・汚い・危険」というイメージを持たれやすい業種です・・
そこで地域性という視点から、「オープンな会社である」というコンセプトを提案しました。四角い箱で窓が少ない建物ではなく、正面を全面ガラス窓にして、外から中が見えるような設計。
「何をしている会社かわからない」と思われるより、開かれた会社として地域に根づいていく方が、採用にも社会的なイメージにもつながるのではないかと思ったからです。


※上記が実際のオフィス兼工場の写真になります。「開かれたオープンな製造業」というコンセプトのもと、正面を全面ガラス窓にデザイン設計しました。

 

Section 04 ― 「オフィスデザイン」を意図的に考えるということ

KATATIが考えるオフィスデザインとは、「その会社が社会の中でどう在りたいかを、空間というかたちで表現すること」です。社会性・業界・採用という三つの視点から大きなコンセプトを描いて、それを空間に落とし込んでいく。まずコンセプトという「合言葉」を決めてから、具体的なデザインの工程へと進んでいく・・そういうイメージです。

オフィスのリノベーションを検討されている方の中には、「どこから手をつければいいかわからない」という方も多いのではないかと思います・・

そういう時は、ぜひ「自分たちの会社は、どんな人材にきてほしいか」「業界の中でどう見られたいか」という問いから始めてみてください。

デザインの前に、コンセプトがある。コンセプトの前に、その会社の在りたい姿がある・・そういう順番で考えてつくられた空間は、企業ブランディングの役割も果たすオフィスになる、と私は思っています。

コンセプト設定について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。