小規模オフィスでもここまでできる|オフィスリノベーションとデザイン設計の考え方
小規模オフィス【50㎡(15坪)前後】のリノベーションでも、設計とオフィスデザイン次第で空間の価値は大きく変わります。
私たちKATATIの自社オフィスを例に、限られた面積をどう活かし、どんな設計意図で空間をつくったのか。その考え方を、実体験を交えながらお話しします。
仕事はどこでもできる。でも「集まる場所」はオフィスでしかつくれない
正直に言うと、私たちの仕事はノートパソコン一台あれば、どこでもできます。
極端な話、執務スペースは多少狭くても成立します。
それでもオフィスを構える理由は何か。
それはやはり、
- お客様が来てくださる
- 仲間と顔を合わせて話す
- その場でアイデアが生まれる
「人が集まる場所」をつくれることだと思っています。
だから今回のオフィスでは、
執務室よりも 会議室(ミーティングルーム)を主役にする という判断をしました。
会議室は「話す場所」ではなく「頭が柔らかくなる場所」
会議室というと、
白くて、無機質で、ピシッとしたテーブルがあって…
そんなイメージを持たれる方も多いと思います。
もちろん、そういう空間が合うプロジェクトもあります。
でも、KATATIのオフィスの会議室は、少し違う考え方でつくりました。
ここに来ると、ちょっと話しやすい
なんとなく、アイデアが出そうな気がする
そんな空気感を大切にしています。
例えば、
- ガラステーブルの中にポストカードや作品を入れていること
- 壁に自分たちの仕事や好きなものを飾っていること
これらはすべて
「モノを介したコミュニケーション」が生まれる仕掛けです。
「これ、何ですか?」
その一言から会話が始まることは、意外と多いんですよね。
斜めの壁がつくる、ちょっとした遊び心
会議室やブースの壁が、実は少し斜めになっているのも、
設計士さんの提案でした。
直線で整えた方が、きれいで分かりやすい。
それは間違いありません。
でも、
少しだけズレたラインが入ることで、空間に「ノイズ」が生まれる。
そのノイズが、空間を面白くする。
設計士さんは、平面図ではなく、
空間を立体的に見ているんだな、と感じた瞬間でもありました。
自分たちだけで考えていたら、きっと採用していなかったアイデアです。
玄関(エントランス)をつくる意味
今回のオフィスで、もう一つこだわったのが 玄関(エントランス) です。
以前のオフィスは、ドアを開けると中がすべて見える状態でした。
それはそれでオープンですが、
- セキュリティの面
- 気持ちの切り替え
- 「会社の顔」としての役割
を考えると、次のステップとして
きちんとしたエントランスを持ちたいと思うようになりました。
エントランスは、
外と中を分けるための壁であり、
同時に「ここからKATATIの空間ですよ」と伝える装置でもあります。
私たちが普段お客様に
「小さくてもエントランスはつくりましょう」
とお伝えしている以上、自分たちも実践しなければいけないな、と。
廊下(導線)は、あえて「無駄」をつくる設定

限られた空間だと、
「全部を一つの部屋にした方が広く使える」と考えがちです。
でも今回は、あえて廊下をつくりました。
結果として、
- 空間に奥行きが生まれる
- 気持ちの切り替えができる
- 展示や視線の抜けをつくれる
といった効果が出ています。
設計士さんから
「空間は分けた方が、体感的には広く感じることも多いですよ」
と言われたとき、なるほどな、と腑に落ちました。
使ってみて分かったことも、すべてが学び
会議室の天板にカッティングボードを使ったのも、
「工房っぽい雰囲気が出るかな」という実験でした。
ただ、実際に使ってみると、
猛暑の影響で反り返ってきてしまったんです。
これは、やってみないと分からなかったこと。
でも、自分たちのオフィスだからこそ
失敗も含めて経験できたし、
お客様に「これは気をつけた方がいいですよ」と
実体験としてお伝えできるようになりました。
オフィスは、完成した瞬間がゴールではない
このオフィスは、
今も少しずつ変わっています。
写真撮影や取材、対談、打ち合わせ。
実際に人が集まり、使われることで、
オフィスは育っていくものだと感じています。
私たちにとってこのオフィスは、
ショールームであり、実験場であり、そして会社の顔です。
だからこそ、
これからも使いながら、考えながら、
アップデートを続けていきたいと思っています。
