製造業は何を目的にオフィスをデザインするべきか?

こんにちは!
今回は、製造業や製造に関わる業種で工場を持つ会社の
オフィスデザインについて記事を書きたいと思います!
『自分、不器用ですから・・』の、時代は終わりました・・。
その昔(80年代)、俳優の高倉健さんが生命保険のCMで
発したセリフです。
そんなセリフを言う人物像は寡黙で多くを語らない人。
男は黙って・・うんぬん、かんぬん・・の世界観です。
私は、
そのCMの高倉健さんが演じるキャラクター像と
日本の製造業のイメージがリンクするです。
- 縁の下の力持ちで、日本のものづくりを支える企業
- 日の目は見なくていい、陰で黙々と製造する職人の現場
などのイメージです。
でも、どうでしょうか・・?
今は、令和7年。
昭和でもなく、もはや平成でもありません・・
この人物像を
現代の企業に当てはめるとこうなります・・。
“多くを語らない企業”とは?
- 会社の事業サービス
- 理念、ミッション
- 社会貢献について
- どんな人が働いているか
- どんな人に働いてほしいか
↑
上記、項目を全く発信しない会社です。
“寡黙で黙々と生きる人”が働く企業とは?
- 暗い社員さんが多い
- 男社会(マッチョな考え)
- コミュニケーションが少ない人が多い
- 進んで一緒に働きたくないタイプ
↑
上記、のような人が働く会社です。
ちょっと偏った見方かもしれませんが、
製造業さんは・・
ともすれば、
- 何も伝えない企業
- 現代(令和7年)の働く人たちにとって、魅力がない企業
に、なってしまいます。
ですので、
製造業、または製造に関わる工場を持つ企業さんの
オフィスデザインは、
下記2つを目的にしなければいけないと私たちは考えます。
- ①採用のための発信
- ②社会や地域との関わり(外部への影響力)についての発信
上記、2つの目的のために
「企業ブランディング」が必要であると感じています。
①の「採用のための発信」についてですが・・
これはどの業種の企業さんも問題を抱えています。
- 人口減少
- 働く現役世代の減少
つまり、働く世代の取り合いです。
令和6年12月現在の日本の企業のデータですが、
上場企業だけでも3,961社あり、
10人以上の企業が44万社(令和3年のデータ)あるとのこと。
極端な言い方をすると、
1人を採用するのに、44万分の1にならないと
いけない状況ということです。
そんな状況で、『採用のための発信』が、
求職者の印象に何一つ残らないという結果が、
企業にとって大きな痛手になりうることは
容易に想像がつきますよね・・。
続いて、
②の「社会や地域との関わり(外部への影響力)に
ついての発信」についてですが・・
1980年代に生まれた言葉で「3K」という言葉があります。
この言葉は、
- きつい
- 汚い
- 危険
の頭文字を取って、建築・土木や製造業などの
労働条件の厳しい職業を指す言葉として生まれました。
令和7年の現代においても、
製造現場で働く環境に対する世の中のイメージは
意外と80年代から変わっていない気がします・・。
そんなイメージが残っていると、
工場近くの地域住民の方の心配も
変わらずあると思います。
- この建物で何を造ってるんだろう?
- 何か有害なものを出してないかな??
- 閉ざされて怖い・・
そんな、地域住民の声に対して
企業側から何も伝えなければ、
製造業や工場は、
- 騒音や匂い出す
- 不衛生
- 危険
上記のような
今までのイメージのままじゃないでしょうか・・?
だから、
製造業などの今まで発信をしてこなかった業種の企業は、
『私たちの仕事は社会に、このように貢献している!』と、
丁寧に伝える必要があると思っています。
結論、私たちは、
- ①採用のための発信
- ②社会や地域との関わり(外部への影響力)についての発信
を、目的とした企業ブランディングが
必要であると、ご提案しています。
では、企業ブランディングとは何か?
私たちは、企業ブランディングをこのように定義しています。
- 他社との違い
- 自社の強み
を、発信して受け手にイメージ付けをする行為です。
イメージとは、例えば、
『あの会社は●●県では、例を見ないほど働く環境を整えている会社だ!』
『あの会社は●●業なのに発信に力を入れ、業界のイメージを変えようとしている会社だ!』
『あの会社は、最近●●に取り組み出して勢いがあり、好感が持てる会社だ!』
など。
特に採用では、
フック(引っ掛かる要素)がないと、印象に残りません。
多くの企業から選んでもらうためには
印象に残らないと選んでもらえないんです。
だから、繰り返しになりますが
製造業や製造に関わる業種で工場を持つ会社さんは、
- ①採用のための発信
- ②社会や地域との関わり(外への影響力)についての発信
上記、①と②を目的にし、
企業ブランディングを行う事が重要です。

①と②を目的に企業ブランディングを行うと、
核となる箇所が見えてきます。
図のように、オフィスや工場などの
企業の施設がブランディングの核となります。
オフィスを“企業化”する
私たちは、この言葉をコンセプトにお客様にご提案しています。
- 企業の理念やアイデンティティ
- 企業の歴史や未来
- 仕事やサービス内容
- 社風や風土
などの企業の全てを
オフィスのデザインに落とし込み、表現する。
そんなデザインを私たちはご提案しています。
(了)
★追記①
私たちのようなデザイナーや設計士は
工場をデザインできる事に、正直ワクワクしています!
私たちデザイナーという人種は
工場や製造現場に入るとテンションが上がるんです!
(私の経験からそういうタイプの人が多い)
そこは、ものづくりという大きい枠で同じなんだと思います。
そんな、テンションの上がる製造現場のデザインに
関われるなんて!と、ワクワクしてます。
- いかに効率のいい製造の導線が作れるか!?
- いかに働く人がワクワクドキドキできる現場をつくれるか!?
- いかに常識を越えられるか!?
と、想像するだけでワクワクします!
★追記②
下記、画像は弊社がデザイン・設計をさせていただいた事例(新社屋の建築)になります。
クライアントの業種は製造業です。
“工場のオープンキッチン化”をコンセプトにしました。
外観正面をガラス窓で覆い透明性のある社屋に。
製造スペースも透明性のあるガラス壁です。
社員のご家族やお子様がいつ来社されても、
家族で楽しめるオリジナルイラストをガラス面に印刷(シート貼り)しました。

来客用の階段は、会社の歴史と大きな夢をイラストで描いたサインを設置。
会社が描くストリーと共に階段を上がっていきます。