CASE

CASE 01

「社員の働きやすさ」と「可視化」を実現したオフィス

クライアント業種

クレーン用カメラ、無線機、周辺監視カメラ等、建機・現場向け安全機器の開発・製造・販売

リノベーション箇所

新社屋建設

株式会社KATATIの担当

コンセプトメイキング/ゾーニング・デザイン/進行管理、ディレクション/サインデザイン/イラスト制作

各部署の機能に応じて
ゾーニングを徹底した、3階建ての新社屋

クライアントは、建設現場などで使われるクレーン用カメラの開発・製造・販売などを手がける企業。大阪府豊中市の本社オフィスが手狭になったため移転を考えていたものの理想的なオフィスビルが見つからず、同市内に土地を購入し、ゼロから新社屋を建設することに。そのタイミングでKATATIにお声がけいただきました。

新社屋を建設するにあたって最初にいただいたご要望は、部署ごとのスペースの効率的な配置──「ゾーニング」でした。同社は、執務はもちろんのこと、製品の製造も社内でおこないます。社長様は、事業の拡大に社内設備が追いつかず、部品や部材が溢れてていく一方の旧オフィスに懸念を抱いていた様子。そこでKATATIは、フロアごとのゾーニングを徹底した3階建ての社屋をご提案。各フロアのおもな役割は、1階が倉庫、2階が製造、3階が執務です。

 

とりわけ導線や作業スペースの配置に強いこだわりを持たれていた社長様。たとえば導線確保のために柱を撤去したいといったご要望にも、できるかぎり応えられるよう調整しました。

社員や出入り業者をあたたかく迎える
木のぬくもりに満ちた倉庫兼出荷スペース

1階は倉庫およびエンジニアの作業スペース。納入業者が物を納入したり、配送業者が物を取りに来る倉庫の床は、汚れに強く耐久性の高いモルタルでフラットに仕上げ、出荷スペースとしてコルク敷きの小上がりを設けました。天井や壁に採用した羽目板も相まって、倉庫ながら温かみのある雰囲気に。外から帰ってきたスタッフや出入りする業者にほっとひと息ついてもらえる空間をめざしました。

コルク敷きの小上がりを設け、「外」と「中」をゾーニング。

空間効率と動線にこだわって
レイアウトした作業スペース

2階は製造スペース。空間効率を優先して可能なかぎり柱をなくすと同時に、動線を考慮して部材の置き場や作業スペース、完成品の保管場所などをレイアウトしました。スタッフのみなさんから「製造に使えるスペースが広くなったことで、1回あたりのロットが増え、製造効率が上がった」などのうれしいお声をいただいています。

窓際には、部品などに日光が当たり劣化するのを防ぐためのパーテーションを設置。パーテーションにはホテルなどにも使用される上質な突板を採用しています。

ガラス窓越しに外部から見える突板の外側には、「働く人びと」をテーマにしたイラストレーションを施しました。

天井高は最大5メートル!
明るく開放的な執務スペース

3階には執務スペースのほか、会議室や食堂が並びます。天井高は3m、吹き抜け部分は5mに達する開放的な空間のなか、スタッフのみなさんがPC作業をしたり、会議をしたり。執務スペースの床には天然素材のサイザル麻を贅沢に使用し、足腰への負担を軽減しました

執務スペースの天井高は5m。天井の高さについては、社長様の強い希望がありました。

カーテンはデザイン性と機能性を兼ね備えたオーダーメイドのものを使用。光を適度に取り込み、快適な明るさを保ちます。

畳敷きの休憩室は、スタッフがやむを得ず子どもを同伴して出社した際の託児スペースとしても機能。ガラス窓の足元部分のみ透明度を上げ、人の気配が伝わる仕様にしました。

社員の皆さまがくつろげる食堂をご提案させていただきました。

社員の家族や顧客に仕事を「見せる」。
KATATIならではのブランディング

自社の利益のみを追求するのではなく、自社のスタッフや顧客、協力会社も含めた「三方良し」の精神でみんなで成長していく──。そんなクライアントの理念を反映したオフィスにすべく、KATATIは「オフィスのオープンキッチン化」をご提案しました。社内のスタッフはもちろんのこと、地域の人びとにもオフィスを開く。建物の内外にふんだんにガラス窓を取り入れたのも、それが理由です。

とはいえ、すべてをオープンにしては業務に支障があるかもしれません。そこで、社内のメイン通路と作業スペースを隔てるガラスの壁面に、オリジナルのイラストを描いたシートを貼り、一部からは作業スペースを覗ける仕様に。外から来た顧客やスタッフの家族は、会社見学のようなかたちで中で働くスタッフの姿を垣間見ることができます。

クレーン用カメラの開発・製造・販売という、クライアントの仕事がひと目でわかるイラスト。子どもの目も大いに意識したかわいいテイストで、クレーン用カメラの意義や社会との関わりを表現しました。

通路の逆側の壁面には、クライアントの社史を総覧できるオリジナルのサインを設置。かつてNASAのアポロ計画に参加していたという創業者のエピソードにはじまり、会社の設立、事業の拡大、そして未来の展望までをイラストとテキストで紹介しています。

スタッフのレクリエーションを大切にするのもクライアントがこだわってきた社風のひとつ。新社屋では屋上にスタッフの憩いの場を設け、休日には家族同伴のBBQなども楽しめるスペースにしました。

KATATIにとっても特別な経験となった今回の新社屋建設プロジェクト。クライアント様にご協力いただき、多くのアングルでの竣工撮影をさせていただきました。下記のフォトギャラリーからぜひご覧ください。